Project May
“水平線上のアリア”

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Lyric

どこまでも続く空 浅葱色の水平線
穢れなきこの水面で
優しさに身を委ねましょう

硝子色のピアノ なびくは白妙の衣
指先で紡いでいく
その調べは勿忘草

言霊を拾い投げる “こんにちは ここはどこ”
物言わぬあなたは
時を止めることを知らない

言葉を持たないあなたは ただ音を奏でるだけ
純白の波の音に乗せて ただ想いを紡ぐだけ
この青い空の下で

言霊を拾い投げる 何度でも 何度でも
物言わぬあなたの
時がとどまらないとしても

言葉を持たないあなたは ただ音を奏でるだけ
純白の波の音に乗せて ただ想いを紡ぐ

言葉をなくしたあなたは 微笑みを浮かべるだけ
全てを手にしたあなたは さざなみに還るだけ
この青い空の下で

Story

【SIDE WOMEN】

-随分と還ることのなかった記憶を思い起す瞬間ほど、
感動的なことはありません。-
-なぜ出会った時から、あなたのことがこんなにも懐かしかったのでしょうか-

彼はそう言って、大きく空を仰いだ。

今日が最後の日だというのに、私は穏やかな気持ちだった。

縁とは、なんて神秘的なのだろうか。
結ばれるもの、離れ離れになるもの、掠りもしないもの。
数えきれない無数の偶然が交差して、成立する奇跡。
この日、抗いようのない壮大な世の常に、私たちは負けを認めたのだ。

-それでも、必ずつながっているよ-
きっとまた、どこかで。

そう言って、私たちは手を離した。

【SIDE GRANDDAUGHTER】

おじいちゃんがまた、私のことを誰かと勘違いしてるみたい。
女の人の名前を呼んでいました。

違うって言ったら、
怒ってしばらく機嫌をなおしてくれません。

そう言えば、さいきん窓際で空をぼうっと眺めている時間が増えた気がします。
その背中が少年のようで、なんだか不思議な気持ちになりました。
ずっとそこで誰かを待っているみたい。
「約束している」んだって。

【SIDE DOCTOR】

「眠ったらきっと今よりもう少し楽になっているでしょう。
ひと眠りするごとにあなたの記憶はすこしずつ薄れていく。時間がちゃんと解決してくれますよ。
ささ、今は眠って。あとは時の優しさに身を委ねましょう。」

老人は、ここにきてずっと眠ることを怖がるのでした。
しかし、彼は、ー辛くても忘れるものかー
そう言って眠ることを拒むのでした。

「どうしても忘れたくないこと…か。」
私は大海原を目の前に、自分自身を振り返ってみるのですが、
気づいたらその意思はぼんやりとして、波に呑まれていきました。

【SIDE MAN】

どうか叶えて欲しい。
ちゃんと自分の願いを、自分の手で、やり遂げて欲しい。

この出会いも、これから訪れる別れも、残された私の時間も、
あなたの希が叶ったとき、全て報われる気がするんだ。

【SIDE WOMEN】

人が記憶から消えていく順番って知ってる?
さいしょに声、その後は姿。味。匂い。
そして最後に思い出。

感動すること、美しいこと、悲しいこと、
青い空を映す、この海が特別しょっぱかったこと。
静かに波打ち、呼吸している海のこと。

止まることのない愛おしい時間を
このまま包んでずっと持っていたい。

ああ、私はだから絵を描いている。
すこしでもそのままの姿でとどめていて。

私がいつでもまた、再会できるように。
この青い空の下で。

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